那智大滝を神と崇める自然崇拝の聖地:和歌山県・熊野那智大社(Kumano Nachi Taisha | One of the three Kumano shrines)

▼チャプターリスト(目次)
0:00 オープニング
0:36 浜の宮王子
1:23 補陀落山寺
1:57 市野々王子
3:05 大門坂
6:17 熊野那智大社 参道
7:26 熊野那智大社 一之鳥居周辺
8:20 熊野那智大社 二之鳥居周辺
9:04 熊野那智大社 拝殿
9:43 熊野那智大社 本殿
10:26 大クスノキ
10:59 那智山青岸渡寺
11:43 三重塔周辺
12:50 熊野那智大社 裏参道
13:20 那智御瀧 飛龍神社

どうも、管理人のヒロリンです。

今回は世界遺産にも指定されている熊野三山のうちの一社、熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)を紹介したいと思います。

和歌山県那智勝浦町に存在する那智原始林に包まれた高さ133mの断崖を一気に流れ落ちる那智大滝。熊野那智大社はこの圧倒的な大瀑布に対する原始の自然崇拝に端を発しています。那智川の中流にかかる那智の滝の落差は、一段の滝としては日本一。また山地と海との間が狭いことから、海上からも見ることが出来る全国的にも珍しい滝です。

そのため那智の滝は古くから信仰の対象となり、社伝によると、東征中の神武天皇が滝を祀ったことが創建の由来とされています。

神武天皇は熊野灘から那智の海岸・丹敷浦(にしきうら)に上陸した際に、那智山に光が輝くのを見て、那智の滝を発見しました。そして那智の滝を大己貴命が現れた御神体として祀ったと伝えられます。大己貴命は島根県の出雲大社に祀られる大国主大神の別名です。

神武天皇はその後、この地を征討して、八咫烏の道案内で大和入りをし、初代天皇に即位しました。那智の滝は熊野那智大社の別宮である飛龍神社の御神体とされ、社殿はなく、鳥居のみが建っています。

4世紀にインドから熊野の地に漂着した裸形上人は那智の滝で修業を行い、約24㎝の観音菩薩像を発見しました。この観音菩薩像を草庵に祀ったのが熊野那智大社に隣接する那智山青岸渡寺(せいがんとじ)のはじまりで、神仏習合時代には、熊野那智大社と青岸渡寺は一体となっていました。古来より、那智の滝の飛沫を浴びると、観音菩薩の御利益があるといわれていることから現在でも篤い崇敬を集めています。

そんな熊野那智大社の参詣は那智の浜から浜の宮王子(0:36)、補陀落山寺(1:23)を参詣するところから始まります。浜の宮王子と補陀落山寺は本来一体のもので、神仏習合の名残を現在でも見ることができるものです。

浜の宮王子は、那智山参詣前に海水で身を清める潮垢離(しおごり)を行った所。補陀落山寺は補陀落渡海に住僧を出した寺として知られています。これは南海の彼方にあると信じられていた観音浄土「補陀落浄土」を目指し、那智の浜から船出した一種の捨身行。平安~江戸時代に20回ほど行ったと伝えられており、寺の裏山に渡海上人たちの墓があります。

浜の宮王子、補陀落山寺を抜け、市野々王子(1:57)を過ぎると、県道との合流点の大門坂入口から大門坂へ(3:05)。那智の聖域と俗界を分けるという振ヶ瀬橋を渡れば、推定樹齢800年の「夫婦杉」に迎えられます。熊野古道の中でも特に人気の大門坂はこの夫婦杉から始まります。

古来、数多の参詣者がたどった大門坂は全長約600m。標高差約100m。鬱蒼とした杉木立の中に、石畳の堂々たる階段道が続いています。

大門坂を登り切って安堵すると、束の間に467段もの急な石階段が姿を見せます。この急な石階段を登らないと熊野那智大社にたどり着くことは出来ず、そのため熊野三山の中で、同社の参拝難易度は高いと思われます(6:17)。

標高350m、那智山中腹に、朱塗りの鮮やかな社殿が立ち並ぶ境内には、平重盛の手植えと伝わる推定樹齢850年の大クスノキ(10:26)もそびえます。

その脇の門を潜れば、西国三十三カ所観音霊場一番札所の那智山青岸渡寺(10:59)と、青岸渡寺の三重塔(11:43)。そしてそこから見える勇壮な那智大滝を遠景に眺めることが出来ます。

青岸渡寺から急峻な石段(12:50)を下っていくと、熊野詣のクライマックスともいえる那智大滝の参拝(飛龍神社)(13:20)。飛龍神社の鳥居からは大瀑布の滝を間近で仰げ、滝のしぶきがふりかかります。ここだけしか見ることが出来ない圧倒的なスケールの情景。誰しもが心奪われる場所です。

Kumano Nachi Taisha is a Shinto shrine and part of the UNESCO-designated World Heritage Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range of Japan. The Kumano Kodō route connects it to other sites under the same classification, which are primarily located in Wakayama Prefecture, Japan. The four sites on the route, classified as pilgrimage destinations and World Heritage Sites, are: 1) Nachi Taisha; 2) Hongū Taisha; 3) Hayatama Taisha; 4) Koya-san.

Kumano Nachi Taisha is also one of the three sacred Kumano Sanzan shrines:

Kumano Nachi Taisha
Kumano Hongū Taisha
Kumano Hayatama Taisha

This classification is based mostly in Japanese history, as pilgrims would travel to all three sites to complete their pilgrimage.

Kumano Nachi Taisha is an example of Buddhist and Shinto syncretism (Shinbutsu shūgō) nestled in the Kii Mountains, near Kii Katsuura, Japan. Cedar forests surround the site. The 133-meter Nachi Waterfall, worshiped at the Hiryū Shrine near Kumano Nachi Taisha, is believed to be inhabited by a kami called Hiryū Gongen. Also, there is a sacred tree at this site, the Sacred Camphor Tree, located between the Nachi Shrine (heiden) and Seigantoji temple. It is 850 years old and is said to have been planted by Taira-no-Shigemori (1138-1179). The straw rope (shimenawa) and paper flags show that this tree has been sanctified as a kami. The tree is alive with moss and ferns and other small plants growing on its ancient limbs. It is possible to enter the base of the tree, where there is a small altar for making offerings, and come out above ground level.

2 Comments

  1. 私が約7年前、初めてテント泊で熊野古道を歩いたのが、神倉神社から熊野那智大社でした。
    夕方の公園で、子ども達とお母さん方がいなくなるのを待ってテント泊。
    2日かけて辿り着いた大門坂、熊野那智大社、青岸渡寺、飛瀧神社。
    最後の素晴らしい景色が、この映像で蘇ってきました。
    次は桜の季節に歩いてみたいです。
    ほんとうに有難うございました。

  2. 滝ってなんて神聖なんだろうと改めて感じる映像でした。檜原村九頭竜神社や北茨城の花園神社の小さい滝も迫力は無いけれど、風情が有って良いですよね。

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